環境のために

ウールは地球にやさしい繊維

3R:RE-USE 再利用・REDUCE 発生抑制・RECYCLE 再資源化の視点から環境問題を考えたとき、ふとんに使える素材は綿、シルク、羽毛、羊毛など拡大再生産が可能な天然素材に限られています。寝具に最適とされる羊毛ふとんがなぜ環境に優しいのか考えてみましょう。

1. はじめに

日本は戦後50年間、物造りを中心とした動脈経済に終始し、そこに資金や人材を集中投入し続けた結果、大量生産、大量消費、ゴミの大量発生の事態を生じました。
東京湾の埋め立て地に、正札の付いたままの背広が山のように捨てられていた、という話を聞いても誰も驚かなくなり、”ふとんわたの打ち直し”、”反毛”、”古着”、”洗い張り”等々の看板もめっきり街から姿を見かけなくなりました。再生という大事な静脈産業を軽視してきた結果が、今日のゴミ問題を生んでしまったのです。
国内の工場や建築現場から吐き出される産業廃棄物の量は年間約4億2,600万トン、日常生活を通して家庭から出る一般廃棄物ほ年間約5,300万トンにのぼるといわれています。
ゴミとして惜しげもなく捨てられる財貨。それを受け入れる埋め立て処分場は、もう限界に達しています。一般廃棄物用があと8.5年分、産業廃棄物にいたってはわずか3年分しか残されていません。(電通総研の報告による) ゴミ処分場は迷惑施設ということで、地元の反対が強く、新たに設けることも非常に困難です。自分たちの快適性だけを追い求め、イヤな事、面倒な事は他に押し付けた結果がゴミ問題にも現われています。

ゴミの問題は膨大な”量”ばかりではなく、化学物質による厄介な”質”の問題も含んでいます。ゴミ焼却場からは猛毒のダイオキシンが排出され、処分場からは環境ホルモン(内分泌撹乱化学物質)や、他の有害化学物質の流出が懸念されています。
ゴミ問題、環境問題は、我国だけではなく、全世界で起こっています。少々の不便はあっても、リユースしてゴミを出さない、リサイクルしてゴミを減らす、出したゴミで地球を汚さない、自然の生態系を乱さない。このような経済活動を目指すことが人類共通の課題です。
私たちはその手始めとして、身の回りの寝具や衣料品から、地球環境にやさしい繊維の使用を心掛けてはどうでしょうか?